交野の正月行事
家庭が円満におさまるよう

家の砂もち
庭に書いた3つの輪に、お正月の文字
 倉治・寺・森・傍示地区で12月31日の大晦日に、家の庭先に砂で丸や桟を書くという風習が残っています。
「砂もち」とは砂を持ってくるという意味で、地域によって採取場所が決まっているそうです。この「砂もち」を作るいわれは、家庭が丸くおさまるようにとか、綿の実がたくさんなるように祈ったといわれていて、正月三が日続けられます。
そこで、森南にお住まいの79歳のおばあさんのお宅で、この風習についてお聞きすると「私の家では、赤い砂と白い砂を使って丸い輪を3つ交わるように書くんです。
父と母と子どもを意味していると親から教わりました。家族が丸くいきますようにという、まじないの印でしょうね。縁起物なので息子もやめようとはしません」と話されていました。
また、倉治の新庄さんのお宅でも現在も続けられています。
お母さんの和子さんにお話を聞きました。
「数年前までは、倉治でも何軒もやっていました。庭を前栽にしたりして土庭のある家が少なくなって減ってきました。私の家では丸を3重に書き、その中にお正月と字を入れます。家庭が丸くいくようにとか、ご近所仲よく丸くいくようにと聞いています。
息子も子どもに教える意味で続けています。私も伝統的な風習なので、これからも続けていきたいと思っています」地域によって形は異なりますが、家庭内がうまくいくようにという祈りが秘められているのでしょう。

                    交野広報 (平成6年12月号)を参照

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