| <第147回> 令和7年7月定例勉強会 『日本酒の昨日、今日、あした』 =酒造りの世界へお誘い= 講師:大門 康剛氏(大門酒造 六代蔵元) 青年の家・201号室 午前10時~12時 42名(会員36名)の参加 |
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| 2025.7.19(土)午前10時、7月定例勉強会に42名が参加されました。当日は早朝より炎天下の中、気温もどんどん上がり気味で参加者の人数が心配されましたが、講師の大門酒造さんのお話を是非ともお聞きしたいと沢山の方が参加されました。 盛岡企画部長の司会で始まり、巽会長の挨拶のあと、講演会は、講師の大門康剛氏より「日本酒の昨日、今日、あした =酒造りの世界への誘い=」の演題で 約2時間、パワーポイントを映写しながら手際よく熱く語って頂きました。 前半の第1部では、初めに、日本酒の起源は縄文弥生時代から作られはじめ、稲作と共に普及、神のために作られた神聖なものから、時代の変遷を経て、杜氏、蔵人等が麹菌を用い長年の経験に基づき築き上げてきた酒造り技術で、各地の気候風土に応じ発展してきたことが、「ユネスコ無形文化遺産」の登録へと繋がったことが紹介された。 ※「伝統的酒造り」は2024年12月5日にユネスコ無形文化遺産に登録されました。これは、麹菌を用いた日本酒、焼酎、泡盛、みりんなどの製造技術を指し、杜氏や蔵人たちの長年の経験に基づいた技術です。この技術は500年以上前に原型が確立されたと言われています。 詳細:登録日:2024年12月5日 登録主体:ユネスコ無形文化遺産 対象:麹菌を用いた日本酒、焼酎、泡盛、みりんなどの製造技術 特徴:杜氏や蔵人たちが長年の経験に基づいて培ってきた技術で、 日本各地の気候風土に応じて発展 意義:日本の伝統的な食文化の一つとして、また、儀式や祭礼行事など、 日本の社会習慣や文化行事の中で重要な役割を果たしている この後は、大門酒造様のことをはじめ、北河内、大坂の酒造りの歴史と変遷、続いて江戸時代に形成された杜氏蔵人制度のことを詳しく説明され、新しい酒造りの時代が到来し、「文化遺産登録・交野乾杯条例制定」など、将来へ向けての明るい展望が語られました。 ※交野の乾杯条例制定については、「交野広報」の裏表紙に令和7年4月号より 1年間シリーズで詳しく紹介されています。ご参照ください。 後半の第2部は、「模擬酒蔵見学へのご案内」で、大門酒造様の酒造りの内容を「分かり易いようにと、日本酒の出来るまでー酒蔵見学ー漫画」もご用意いただき、併せて沢山の分かり易い写真を映写しながら工程毎に丹念に、詳細に渡りご紹介・ご説明いただきました。 参加された皆様から 「普段聞くことが出来ない「お酒のお話」が聞けて、大変感銘を受けました。一部専門的なお話もありましたが、大変分かり易く説明され、勉強になりました。」「今年の2月に、大門酒造様の酒蔵見学と昼食会に参加しましたので、詳しいお話を伺いたく参加しました。大変興味深くお聞きしました。有難うございました。」「毎日の生活に切り離すことが出来ないお酒です。これからも日本酒をよりじっくりと味わいながら美味しく頂きたいと思います。」と感想を頂戴し大好評でした。 <講演概要> 「日本酒の昨日、今日、あした」 =酒造りの世界への誘い= 第一部 初めに 日本酒の起源、神聖な醸造、神話によるお酒、伝統的酒造り 1.大門酒造について 大坂の酒造りの歴史 上方摂河泉 2.伝統杜氏の技の歴史 杜氏蔵人制度 3.新しい酒造りの時代の到来 4.国際的な視点からみたSAKE 5.将来への展望 ユネスコ無形文化遺産登録 交野の乾杯条例 第二部 模擬酒蔵見学へのご案内 ・お米の話 酒造好適米と飯米の違い 精米 ・仕込み、洗米、浸漬、蒸米、甑、 ・麹米造り、麹ムロ、麹菌、 ・酒母造り、酵母菌の培養過程 ・モロミの仕込み、三段仕込み、五味のバランス ・モロミ発行期間、普通酒と吟醸酒の違い ・上槽(じょうそう)、モロミを固形分と液体に分離 ・濾過、火入、割水、瓶詰、出荷、熟成 ※今回、講師の大門康剛先生のご厚意により当日配布された「レジメ」と 「パワーポイント画面」などを頂戴しましたこと、記して感謝申し上げます。 |
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![]() 講師:大門 康剛氏(大門酒造 六代蔵元) |
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![]() 巽会長の挨拶 |
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| 『日本酒の昨日、今日、あした』 =酒造りの世界へお誘い= レジメ 講師:大門 康剛氏(大門酒造 六代蔵元) |
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初めに; ★縄文時代中期(紀元前4,000年~3,000年)と言われ弥生時代の稲作と共に普及 ★神聖な醸造「口噛みの酒」(大隅国風土記) 神社の巫女が口噛みをして造った神様への神聖な捧げもの ★神話とお酒:日本書紀 古事記 ★神話に残る「八塩折之酒」 スサノオウノミコトが八岐大蛇を倒すために造られた酒 ★伝統的酒造り; 杜氏蔵人等が麹菌を用い築き上げた 酒造り技術(約500年前)~進化 ユネスコ無形文化遺産に登録 1, 大門酒造について 北河内、大坂の酒造りの歴史 上方摂河泉 昭和50年代 枚方・交野 7蔵 大阪府40蔵 天下の台所。良質の商品の集積地としての大坂。背景にある町人道文化の伝統 周辺の山々から湧き出る清水 肥沃な交野ヶ原の米 生産と消費のピーク 昭和48年度980万石/9億8千万本/1800ml 直近220万石 2, 伝統杜氏の技の歴史 江戸時代に形成された杜氏蔵人制度による酒造り 但馬、丹波、能登、南部、他 約30流派 職能毎の位階、杜氏(長)、頭(現場監督)、代師(麹造り)、モト廻り(酒母造り) 釜や(蒸米) 船頭(上槽) 追廻(雑事)、ままや(調理番) 杜氏 三役 甑倒し 皆造 発酵技術を集積した専門家集団 日仕舞から半仕舞、そして週仕舞へ、 3, 新しい酒造りの時代の到来 杜氏がプレーイングマネージャーとなる。工場長、製造部長化 数値管理の進化。労務作業の軽減化。作業時間の縮小化 新しいコンセプトの酒の誕生 飲み手の意識の変化 酒蔵の子弟の酒造りへの関与 定型的な味わいから個性ある味わいへの転換 19BYから蔵元杜氏 ノンアルコール飲料の動向 4,国際的な視点からみたSAKE 1990年代 黎明期 2000年代 消費の飛躍的な拡大 2010年代 現地醸造の勃興 飲み手から造り手へ 海外40蔵時代 驚異のDo it yourself精神の発揮 なんでもありの創造力と構想力 それを可能にする緩い製造免許制度 5, 将来への展望 蔵のある国や土地の風土と歴史を呼吸したサケ 日本のサケの模倣からの脱却 世界のアルコール飲料に抵抗できる「SAKE」のブランドの確立 ユネスコ無形文化遺産登録 交野乾杯条例制定 「酒に酔い、人に酔い、夢に酔う」 |
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模擬酒蔵見学へのご案内 ・お米の話 酒造好適米と飯米の違い 精米の話 タンパク質と脂肪の除去 特定名称酒の定義 ・仕込み水の話 軟水と硬水 発酵の違い 酒の性質の違い 灘の男酒、伏見の女酒 ・洗米と浸漬 蒸米 麹米と掛米 限定吸水 吸水歩合 ・蒸米 甑(こしき) 米を軟らかくする ・麹米造り 麹ムロ 酒造りの基幹作業 デンプンを糖に変える 麹菌の話 酵母菌を育てるためのエサ造り 果実酒との違い 二昼夜の工程 「一麹、二モト、三造り」 ・酒母造り 酵母菌の培養過程 速醸モト 15日造り 水、麹米、純粋酵母、蒸米 ・モロミの仕込 三段仕込み 仕込み作業とは水、麹米、蒸米をタンクに投入する工程 仕込配合 味わいのコントロールは? 五味のバランス「甘、酸、辛、苦、渋」 ・モロミ発酵期間 普通酒と吟醸酒の違い 吟醸酒の定義―低温長期発酵の酒 ・上槽(じょうそう) モロミを固形分と液体に分離 酒粕と無濾過生原酒 ・ろ過 火入 割水 瓶詰 出荷 熟成 |
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