定例勉強会  青年の家 学びの館
6/27 午前10時  (19名の参加)

 
京都ぶらり旅
今昔 五条大橋  〜 
    松原通は葬送の道


 講師 吉岡 一秋氏

平安京条坊復元図
下記は、時代別・京都を歩く(蔵川敏明著)を参照させて戴きました。
六道まいり 「あの世とこの世の話」

 始まり始まり! パチ パチ!

今回の講演のうち、六道の辻周辺のみ収録しました!

小野篁像と閻魔大王坐像

あの世とこの世の分かれ目「六道の辻」 夜は地獄で閻魔大王のお手伝い?
                        (ALLAbout 京都観光を参照)

1.あの世とこの世の分かれ目『六道の辻』
●風葬の地・鳥辺野の入口にあたる『六道の辻』

▲六道の辻の石碑
六道の辻とは?――東大路松原をやや西へ行ったあたり。その昔、ここより東にある鳥辺野(現在の『清水寺』などがある丘陵地帯)は、風葬が行われた場所だったそうです。

なので、その入口にあたる六道の辻は、古来より“あの世とこの世の分かれ目”“冥界の入口”と、いわれてきました。

そのためこの地には、あの世がらみの伝説やお寺が、数多く残っています。

●墓の中で産んだ赤ちゃんを育てるため、飴を買いにきた女幽霊
例えば、こんな伝説はいかがでしょうか?――
むかしむかし。六道の辻にある飴屋さんに、夜な夜な飴を買いにくる、顔色の悪い女がいた。不審に思った飴屋さんは、ある夜、跡をつけてみた。すると女は、鳥辺野の墓地のあたりでスッと消えてしまった。翌日、掘り起こしてみると、そこは出産直前で亡くなった女性の墓で、ナンと、産まれたばかりの赤ちゃんと、飴がでてきたという。どうやら墓の中で産んだ赤ちゃんを育てるために、幽霊となって飴を買いにきていたらしい……。

またこの界隈には、人が亡くなり、腐敗し、白骨化し、やがて土にかえる様子をリアルに図解した『壇林皇后九想図』を所有する『西福寺』(この絵は、お盆の数日のみ公開で、普段は非公開のようです)。空也上人が口から阿弥陀を出している像や、平清盛の像などを所有する『六波羅蜜寺』。……など、冥界を近くに感じるお寺も点在しています。中でも有名なのは、平安の歌人・小野篁の伝説の舞台『六道珍皇寺』でしょう。

2.昼間は朝廷に仕え、夜は閻魔大王のお手伝い?!
●平安時代の歌人・小野篁の不思議な伝説が残る『六道珍皇寺』

▲六道珍皇寺
あの世がらみの伝説やお寺が残る六道の辻のなかでも、とりわけ有名な『六道珍皇寺』へ。朱色の門の脇には“六道の辻”という石碑が。ここは、平安時代の歌人・小野篁の、不思議な伝説が残るお寺です。

その伝説とは?――小野篁は、昼間は朝廷に仕えていた。そして夜は、このお寺にある井戸を通って地獄へ通い、閻魔大王の裁きを手伝っていた、……というもの。いやぁ〜、働き者だったんですねぇ。私なら、そんな長時間は働けないです。

●ここを通って地獄へ通勤?!冥土通いの井戸

▲地獄に通じる井戸?!
境内には、閻魔大王と小野篁の像が安置されているお堂がありました。格子の隙間から中を覗いてみると……予想以上のデカさにビックリ。暗い空間で、巨大な塊が、こっちを睨みながらボーッとたたずんでいるようで。ある意味、ブキミで怖かった!

さらに奥へ進むと、小野篁がここを通って地獄へ通っていたという『冥土通いの井戸』が。そばには近寄れなかったのですが、ここも格子の隙間から覗くことができました(お盆期間は非公開のようです)。整然とお手入れされた庭に、おどろおどろしい伝説をもつ井戸がある……というのが、少しアンバランスな感じ。


▲迎え鐘
●冥界まで聞こえる『迎え鐘』
さて、このお寺は、京都市民には『六道まいり』で知られています。お盆にここへ参拝し、冥界まで聞こえるという『迎え鐘』をついて、先祖の精霊をお迎えするのです。

鐘は外から見えないようお堂に入っている。


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