平成25年度
交野古文化同好会総会・特別講演会
 青年の家 学びの館1・2号室 午後1時30分〜
  24年度実施報告及び会計報告・監査及び25年度行事予定・予算案ほか

2013.4.13 総会・講演会、43名の参加でした!
 総会は、高尾秀司さんの総合司会で始まり、24年度の古文化同好会の実施報告は村田さん、会計報告は立花さん、会計監査は中角さんから、また、25年度の行事予定と予算案は村田さん、立花さんより、それぞれ提案され承認されました。

 中会長より、昨年開催されました「交野古文化同好会の40周年事業」について、役員の皆さんにより40周年実行委員会が組織され記念講演会・総会・特別展、40周年記念石鏃特別号の発刊に向けて進められました。
 皆様方のご協力ご支援を戴き、「40周年記念講演会」は、ゆうゆうセンターの4階交流ホールには立ち見もでるほどの500名の皆さんに参加頂きました。また、青年の家のロビーで開催しました「古文化同好会40周年記念特別展」はロビー展始まって以来の大盛況だったと大好評を頂戴しましたと謝意が述べられた。
 また、25年度の役員体制につきましては引き続き、24年度の役員の皆さんと一緒にやって行きたいので、会員の皆さんの一層のご協力ご支援をいただきながら皆さんと共々、交野古文化同好会をより発展させるよう頑張りたいと決意を述べられた。
 
 
平成25年度 古文化同好会 上期行事計画

4 13(土)  *平成25年度総会
 
 議題:平成24年度事業・決算報告、平成25年度事業計画・予算案
   特別講演会  「椿井文書と交野地域」 
   講師 : 馬部隆弘氏(長岡京市職員生涯学習課文化財係)

   ☆場所:学びの館  午後1時30分 〜 午後4時30分
5 11(土)  *歴史健康ウォーク ★淀屋の史跡を訪ねるシリーズT  =中之島周辺めぐり=
  京阪枚方市駅・大阪方面ホーム後方付近
  午前9時集合(会旗目印)
  天満橋駅下車〜淀屋橋〜中之島 午後3時京阪中之島駅解散
  案内:毛利信二氏(淀屋研究会代表) ※弁当持参(食堂利用可)
25(土)  *勉強会 ★テーマ 「(継体大王とくずはの宮」 午前10時〜12時
 講師:三宅俊隆氏(枚方の歴史を楽しむ会代表) 場所・学びの館 
6 8(土) *バスツアー  
  雨天決行
  滋賀県日野町
  星田の領主市橋氏
  の菩提寺  
  清源寺ほか
★「星田領主市橋氏の菩提寺・蒲生氏郷・日野商人の里を訪ねる」
募集人員 49名(定員に達し次第締切) ※弁当持参
参加費:会員4000円、一般4500円(当日徴収) 案内:高尾秀司氏
集合時間・場所 午前8時30分集合  焼肉久太郎駐車場
 ◎参加申込受付は4月13日以降  村田氏電話 892−2326
 
22(土)  *勉強会 ★テーマ 「紀州侯の参勤交代と枚方宿」  午前10時〜12時
 講師:堀家啓男氏(宿場町枚方を考える会代表) 場所・学びの館 
7 13(土)  
 *歴史健康ウォーク

★京街道(枚方宿)を訪ねる  鍵屋資料館の見学と周辺散策
 集合時間・場所 午前9時京阪枚方公園駅(駅前西広場)
 12時枚方市駅解散 参加費:500円(資料代・入館料等含む)
  案内:枚方観光ボランティアガイド 
20(土)  *わら草履作り練習   場 所;私市松宝寺公園  午後 1時30分〜
28(土)  
 *わら・布草履作り

★市民対象  藁・布ぞうりつくり 午前9時〜午後3時
   場所 ; ゆうゆうセンター 1階 ロビー  
8 適宜  *無縁墓の清掃  無縁墓の掃除
 *獅子窟寺・かいがけ道・郡南街道
24(土)  *役員会  *25年度下期行事検討  午前10時 青年の家
9 14(土)  *歴史健康ウォーク
★「重文・八葉蓮華寺の阿弥陀如来と
       国宝・獅子窟寺の薬師如来」を訪ねる」

 参加費:500円(資料代・拝観料等含む) 「健脚コース」
 午前9時:いきいきランド集合  案内:高尾秀司氏  弁当持参
28(土)  *勉強会
★テーマ 「東車塚古墳と時代背景」 午前10時〜12時
   講師 奥野和夫氏(古文化同好会員)   場所 学びの館
 
総会は、高尾さんの名司会でスムーズに進み、全議案了承されました。
 引き続き、特別講演会が、高尾さんの司会で開催されました。
特別講演会

 「椿井文書と交野地域について」
講師 : 馬部 隆弘氏 (長岡京市教育委員会)

 
 
司会の高尾秀司さんと講師の馬部隆弘氏 
 総会に引き続き、特別講演会 「椿井文書と交野地域」について、馬部隆弘氏(長岡京市教育委員会)より、椿井文書とは何か、椿井の着眼点は、椿井のテクニック、椿井文書が受け入れられる理由、交野の地域史への影響など、沢山の資料と映像を交えながら詳しくお話しいただきました。
 馬部先生、ご講演有難うございました。
 椿井文書と交野地域

はじめに
○由緒書・偽文書と歴史学 ‐

一 椿井文書とは?
○山城国相楽郡椿井村(木津川市山城町椿井)在住の椿井政隆(1770〜 1837)が作成。
○継体天皇の皇位継承に関する研究への影響〜政権交代を支えた「息長」一族(北近江→南山城)
『記紀』…・山代大筒木真若王―迦爾米雷王―息長宿祢王一神功皇后・息長一族
嘉吉元年(1441)「興福寺官務牒疏」…現大御堂観音寺がかつては「息長山普賢寺」
康元元年(1256)「朱智牛頭天王宮御流紀疏」…祭神「迦爾米雷王」を子孫の朱智氏・息長氏が祀る。

二 椿井の着眼点
○素材選び一延喜式内社への着目―
なびか
並河誠所(なびかせいしょ)(1668〜 1738)編纂の『五畿内志』・・・式内社の徹底的に特定。
 後世の歴史家たちのバイブル
『五畿内志』のアラに着日し、不確定な歴史の確証を創り地元へ(固有名詞の確保)

○スポンサー探し
富農の系図を大量に作成。関連文書の売り込み
山争いに出没 … 津田村(津田城)→津田山←穂谷村(氷室)
社格争いに出没 … 近江蒲生郡中之郷村坂本林平の記録

三 椿井のテクニック
○連名帳の作成…系図の相互関係
○史蹟への着目…氷室・王仁墓
○絵図で集大成…連名帳⇔系図⇔史蹟⇔絵図。何度も筆写したことを強調。「原本」は椿井家・客には写
○各地域で描いた歴史を『興福寺官務牒疏』で総合…広範囲の歴史が複雑に絡まる

四 「椿井文書」が受け入れられる理由
○慎重な行動範囲とその広さ
○明治20年頃に、第二者によって「原本」が売却される。
「当地方ハー時各村共木津行大流行致し、本郡二も仝記録沢山有之」
○研究者と自治体史による再生産

五 交野地域史への影響
○津田村長三宅氏の記録
津田17家のほか、私部村の北田・安見など20家分の系譜を発見
○「私部城主安見直政」の創出と定着
 史実…安見美作守宗房(南山城から河内にかけて)・安見右近(私部周辺のみ)
17世紀「室町殿日記」・・・安見河内守直正(私部を中心に河内一帯)
並河誠所1735『五畿内志』・・・安見直政
椿井政隆「山城国諸侍木津川原着到状」・・・上奈良村 安見美作守則経
椿井政隆19世紀前半「保見氏系図譜」・・・安見美作守時重(藤井寺市小山城→私部城)・安見図書助直政
太田亮1934-36『姓氏家系大辞典』
片山長三1963『交野町史』
 椿井文書とは、江戸後期の相楽郡椿井村(今の山城町)に住んでいた椿井政隆(1770〜 1837)が依頼者の求めに応じて作成した偽文書のことで、山城・大和・河内・近江・伊賀の広範囲にわたつて大量に残されており、今現在も多くの自治体史や研究論文で中世史料として利用され続けています。
 この文書は18世紀末期から19世紀初頭にかけて大量に作成されたもので、これは椿井政隆の活動期と重なり、その特徴は、例えば興福寺官務家などに伝わる中世に属する古い資料の「模写Jと云う体裁をとるところにあります。興福寺官務家などに伝わる資料を写したなどと称するのは、この文書が中世のものであると偽装する意図であり、中世そのものの文書を椿井政隆の生きた時代に作成するわけにはいかないから、後の時代に「模写」された文書とするわけであります。
 それらは、椿井政隆本人によつて各地に残されたものもありますが、多くは明治20年代になつて椿井氏(後裔)によつて質入され、その質入された文書は、質入先である今井氏(山城木津在住)の手で売却されたため、地域各所で椿井氏によつて蒐集された中世文書が戻つてきたとして取り扱われ、その結果膨大な量の偽文書が中世文書として流出してしまつたことにより、偽文書という認識がないまま現在に至っています。
 ※下記の論文を参考にさせて戴きましたこと、記して感謝申し上げます。
馬部 隆弘著
 1.大阪府枚方市所在三之宮神社文書の分析  −由緒と山論の関係からー ヒストリア 2005年3月
 2.城郭由緒の形成と山論 「津田城主津田氏」の虚像と北河内戦国史の実態  城郭史料学 2004年7月
 3.椿井政隆による偽文書創作活動の展開  「忘れられた霊場をさぐる3 −近江における山寺の分析」抜刷
    「栗東市教育委員会・(財)栗東市文化体育振興事業団  2008年3月
 4.偽文書からみる畿内国境地域史」 −「椿井文書」の分析を通して 史敏 2005春号
 5.牧・交野一揆の解体と織田政権  史敏 2009年春号

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