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平成26年10月定例勉強会

「百人一首とかるた」

<「百人一首のかるた」で参加者全員でかるた取りを楽しむ>

  講師:中西 久幸氏 (全日本かるた協会)

青年の家・学びの館 午前10時~12時
 25名の参加
 2014.10.25(土)午前10時、10月定例勉強会に25名(会員23名)が参加されました。
 高尾企画事業部長の司会で始まり、立花会長の挨拶に続いて、中西久幸氏より「百人一首とかるた」について、詳細な資料を基に、大変わかりやすく明快にご講演いただきました。


 中西先生には、昨年11月の勉強会で「新島八重と板かるた」をテーマにお話しいただき、今回、百人一首の世界について色々と興味深いお話を頂きました。

 先ず、小倉百人一首とは、かるたの起源、小倉百人一首博物館と百人一首歌碑、文化の享受として宝塚歌劇の芸名の紹介、川柳や狂歌のこと、百人一首歌人の官位・役職・身分、和歌の歌枕の分布地図など大変多岐にわたるお話でした。最後に、百人一首のかるたの取り合いをする際、決まり字を覚えておくと面白いですよと、1枚札~16枚札グループ分け一覧表を示され詳しく説明を頂きました。
 
 決まり字(きまりじ)とは、百人一首で札の取り合いをする際に、そこまで読まれればその札だと確定できるという部分である。仮名文字単位で、1字決まり、2字決まり、……と数える。
 特に、札を取る早さを求められる競技かるたでは、決まり字の把握は必要不可欠である。
  決まり字のことは、こちらのホームページを参照ください。
   
 休憩後、中西先生が読み札を読まれて、全員でかるた取りを楽しみました。
 参加者から 「百人一首の大変興味深いお話を伺い、「百人一首かるた」で皆さんと一緒に久しぶりにかるた取りが出来て、楽しいひと時を過ごせました。また、いろいろな実物の「かるた」に触れることが出来て本当に良かったです!」と嬉しそうに感想を話され、主催者として嬉しい限りでした。
 ※ 当日頂いたレジメ集の掲載にあたり、中西先生の快諾を戴き御礼申し上げます。
   記して感謝申し上げます。
 
 
講師:中西 久幸氏

全日本かるた協会の協会についてのHPを参照ください
 <講師:中西 久幸氏のご紹介>
三重県名張市出身。高槻市に在住。
定年後「万葉集」と「百人一首」と「音楽」を趣味として、その領域はセミプロ級。

全日本かるた協会調査研究部に属し「百人一首」を研究して、和歌と百人一首の「磯城島綜藝堂」(しきしましゅげいどう)のホームページを開設。
  和歌と百人一首の「磯城島綜藝堂 http://www.geocities.jp/ncnycy2002/new-profile.html
また全国万葉協会では、ホームページ「万葉二千碑」の編集を担当。
そして、SP・LPレコード鑑賞会を開催して音の世界に案内してくれます。

 特に、学生時代に犬養孝先生の万葉旅行に参加してからの万葉ファンで、七夕伝説の伝わる「交野が原」では、七夕ゆかりの地に、万葉歌碑を建立する活動を側面から支援していただきました。
 (2007年から5年間に万葉歌碑が5基建立)
 
 
 
  交野古文化同好会講話       「百人一首とかるた」

                             全日本かるた協会 調査研究部  中西久幸
一般社団法人) 全日本かるた協会のホームページ
当日頂いたレジメより項目順に掲載いたします。

1.小倉百人一首
2.かるた
3.小倉百人一首博物館と百人一首歌碑
4.小倉百人一首文化の享受
   以上の項目に付き、注釈付き
5.百人一首一覧表
6.勅撰和歌集(十代集)一覧表
7.小倉百人一首のパロディとして、江戸川柳と狂歌の一例
8.「かるた」を早く取る法
9.第1図 百人一首歌人の官位・役職・身分
  第2図  百人一首歌人の組み合わせ
10.百人一首 和歌の歌枕地図
11.百人一首の歌人名を芸名として、宝塚歌劇に見習って百人それぞれに名づけた一覧表
12.百人一首の札 1枚札~16枚札グループ分け一覧表 
 「百人一首」と「かるた」

1.小倉百人一首 
 百人一首とは百人の歌人が詠んだ和歌を一首ずつ集めたもの。
 百人一首にはいろいろの種類があるが、通常、藤原定家が、文歴2年(1235年5月27日)選定したと推定されている「小倉百人一首」を意味する。
 百種の出典は古今集から続後撰和歌集に至る十勅撰和歌集で、12,250首より百種が撰定された。歌の内容は、恋の歌43首、四季の歌32首、雑歌21首、旅の歌4首。
 「百人秀歌」(小倉山荘色紙形・宮内庁書陵部)(昭和26年発見)は、「百人一首」の原形とされ、定家直筆とされる色紙も伝承されているが真偽不明。

2.かるた
 「百人一首」の「歌かるた」は、従来日本の伝統的な「貝覆い」遊びとポルトガルから16世紀半ば以降、伝来したものを元に国産された「天正かるた」とが融合して誕生したとされる。現存する最古の歌かるたは「伝道勝法親王筆かるた」(元和6年・1620年以前)とされる。

 この「歌かるた」が競技かるたになってゆくのは江戸時代からで、本格的な「競技かるた」の歴史は明治時代中頃からで、「よろず朝報」の黒岩涙香が「標準かるた」札を制定発行し、かつ明治37年2月、東京日本橋で大会を開いた。平成16年はその百年目に当たり関係団体では記念事業が催された。
 昭和27年から名人位決定戦が行われ、昭和32年からクイーン位決定戦が催されている。平成20年1月には、近江神宮で、第54期名人位、51期クイーン位決定戦が行われた。

 現用の競技かるたは読み札(和歌の上句と下句を記述)と取り札(総平仮名の下の句を三行に書く)が用いられるが、変わり種の「かるた」として、北海道で盛んな「板かるた」がある。これは東北地方で行われていたものが、明治に北海道に伝承されたものらしい。下の句だけが詠まれ独特の変体文字の板かるたを3人で取り合うもの。
かるた遊びには、「坊主めくり」「ちたし取り」「源平合戦」「リレーかるた」などがある。
なお、本格的な「競技かるた」の要点は「かるたを早く取る法」を参照。

3.小倉百人一首博物館と百人一首歌碑
 財団法人小倉百人一首文化財団(理事長(任天堂会長山内氏))が平成18年1月、京都嵯峨野に小倉百人一首のミュージアム「時雨殿」を開館している。
 全国に百人一首歌碑は220基ほど建立されているが、平成19年10月、嵯峨野周辺5地点に当該文化財団が百基を建立した。
    小倉百人一首のミュージアム「時雨殿」のHPを参照ください。

4.小倉百人一首文化の享受
 文化面での例として、室町期の能の世界、江戸期の川柳・狂歌の世界、書道の世界では藤原定家書体としての「定家様」があり、落語「ちはやふる」や「崇徳院」から、近代では宝塚歌劇の芸名は約80首近くの百人一首歌から付けられているもの。
その他の一風変わった享受の例としては、食べ物の世界で、「小倉あん」「立田揚げ」「雪平鍋」「錦堂の紅葉饅頭」「みかさ」それに「小倉山荘」(これはあられ屋さん)。

<注釈>
1.百人一首のいろいろ
  異種百人一首(「変わり百人一首」「変態百人一首」ともいう)
  「新百人一首」(9代将軍足利義尚選定・1843年)、「後撰百人一首」(1807年)、
  「武家百人一首」(1666年)、「女百人一首」(1688年)、「道化百人一首」(近藤清春・享保年間1716年以降)、「愛国百人一首」(1942年)、「和英対訳平和百人一首」(1949年)「現代学生百人一首」(1987年)など。

2.藤原定家
  藤原定家(権中納言定家)(応保2年・1162~仁治2年・1241)
  新古今和歌集時代の代表的歌人。「新古今集」「新勅撰集」の撰者。「千載集」撰者藤原俊成(皇太后宮太夫)の子息。歌論書「近代秀歌」「毎月抄」、日記「明月記」、私歌集「拾遺愚草」など

3.全国的な百人一首関係団体
 (社)全日本かるた協会、日本かるた院本院、(社)全国高等学校文化連盟(高文連)、TOSS五色百人一首協会(小学校教諭教育技術法則化運動)など。

4.百人一首かるたの遊び方いろいろ
 ・「ばら取り戦」(ちらし取り)数人が百枚の取り札を取る。多く札を取ったものが勝ち。
 ・「さし取り戦」二人の対局。各自の取り札50枚を早く取り終えた方が勝ち。
 ・「源平戦」(紅白戦)源氏陣・平家陣に分かれる「団体さし取り戦」。
 ・「リレー戦」各陣から1名の代表選手を出していく「源平戦」。
 ・「坊主めくり」裏にして積み重ねられた読み札(絵札)を数名が1枚ずつめくって、坊主の絵札が出ると持ち札を捨て、姫(女性歌人札)の札が出ると、場に出されている捨て札をもらう。持ち札枚数が多い人が勝ち。

5.宝塚歌劇の芸名は   約80首近くの百人一首歌から付けられている
 大正初期の芸名の例、秋田衣子(1)天野香久子(2)高峰妙子(4)奥山秋子(5)渡瀬しも子(6)三笠月子(7)天津乙女(12)筑波峯子(13)若葉君子(14)稲葉とし子(16)など。
 
 
 
 
 

百人一首 和歌の歌枕地図
 
 
 
 
百人一首  決まり字 
1枚札~16枚札グループ分け一覧表
 
 
 
 
当日、持参された各種のかるたと参考図書類
 
   
   
   
   
   
   
   
   
中西先生が持参されたいろんなかるたで、
かるた取りを楽しみました!
 
 
 
 
 
 
 
 
次回の勉強会は、11月29日(土)学びの館で10時~12時
万葉集と万葉歌碑 =天の川周辺歌碑=  講師:岡本三千代氏(万葉うたがたり主宰)
是非とも、多くの皆様ご参加ください! お待ちしております!


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