[ホームページ] へ戻る

 第14回 交野歴史健康ウォーク

2001.4.14 交野山、山頂の仏たちを訪ねる

4/14(土)、交野歴史健康ウォークが交野古文化同好会・平田さんの企画で開催されました。
 毎週、土曜日に「交野歴史健康ウォーク」として、次のように実施されますので、お一人でも多くの方の参加をお待ちしております。 (交野古文化同好会・平田さん

(とき)平成13年4月14日(土)晴れ
(コース)交野ドーム(車利用)⇒交野山⇒山頂の梵字の仏たち⇒
源氏の滝不動明王の梵字⇒交野ドーム

交野山山頂の梵字の仏たちを訪ねる地図

三宝荒神の梵字仏
(ウーン)
聖観音の梵字仏 (サ)
ツタが絡み見え難い
大日如来の梵字仏
(ア)
石工・石亀 かすかに読み取れる 石工・石亀の彫られた岩を
掃除される平田さん
交野山・聖観音岩
外法(げほう)岩
この付近に岩倉開元寺の
多宝塔があったという
外法(げほう)岩付近に
新しく出来た見晴台
見晴らしが素晴らしい
源氏の滝落ち口の
石崖に彫られた
不動明王の梵字の仏

梵字の仏たち

 交野のシンボルは、と問われたら交野山の観音岩と答える。
 「河内鑑名所記」より抜枠、次のように書かれている。
【 鴻尾山、山の頂きに八間四方の岩あり、観音岩と古しへより申伝る、正観音の梵字、石の中程に弐尺四方計に書、ほり付て有(中略)南の方に三間計の石いくつも重ねてあり、是は三宝荒神の梵字あり(中略)、北の方に六間四方程の石有、大日の梵字にて有けると申し伝る(下略)。
 
これによって交野山頂に今でも見られる梵字が
聖観音(サ)、三宝荒神(ウーン)、大日如来(ア)という三つの仏たちであることがわかる。
梵字の仏でもう一つ忘れてはならないものに、源氏の滝落ち口の左の石崖に刻まれた不動明王の梵字、(カーンマーン)がある。
 これらの四つの梵字仏は開元寺の中興開基が彫った様に読める。三宝荒神・聖観音には「寛文六丙午年三月」京都猪熊荒神三寶寺法印實傅とあり、法印實伝が彫ったことがわかるが、大日如来には刻銘は見当たらない。仏を彫らしたのは法印實傅であって、実際に作業に当ったのは石工が三宝荒神さんの前の大岩に彫られている「石亀」さんではないだろうか? 眼下の我々を守って下さる仏たちに合掌。
   (交野古文化同好会・石鏃bP14号を参照させて頂きました)

 その後の調査で、「石亀」さんは、「石燈篭」と判明しました。

また観音岩北面中央部の凹みから出たという銅板があるのでご案内します。

交野山・観音岩北面中央部のくぼみから出た
   銅版の銘文
河州交野山開元寺中輿開基奉令建
立取者三寶荒神宮同拝殿同烏居
同額同大石奉彫荒神之梵字同荒神
石札同石燈籠同観音石ニ正観音大梵字
同奉納法華経六十六部同大石ニ阿字
之梵字同瀧之鎮守八大龍王同瀧之脇ニ
奉彫不動梵字同瀧之不動明王御長座光
共ニ八尺之本尊同不動堂同烏居同山内
安養寺昆沙門堂同昆沙門天王御長五尺
三寸之本尊同地蔵菩薩諸経諸佛之印
判ヲ以テ奉自張御長三尺五寸也同閻魔大王
同山内清正寺之如意輪観音
右奉造立者也 為一天泰平四海無事
十方檀那二世安楽六親春属法界万霊
自他平等普皆利益也
        京都猪熊荒神別富
 庚
寛文十年三月弐八日大阿闍梨法印實伝
 戌

 4/14、参加者4名。時間的に制約があり、9:00過ぎ急遽車で交野山へ向かう。里ではもうすっかり桜も散ってしまっていたが、交野カントリー倶楽部付近にはところどころ山桜が咲いていた。
 15分ばかり歩いて先ず、三宝荒神さんの梵字の仏にお参りし、平田さんが長い間探し求めて苦労の末にやっと見つけられたという、石亀さんにお会いできた。それは荒神さんの前の大きな岩に確かに「石亀」と彫られていた。探し当てた時、夢にまで見た恋人に会えた時のように感激も一入だったろう。

 聖観音の梵字の仏、大日如来の梵字の仏、周りの雑木や草が綺麗に整理されていて大岩の下に回ったりして充分観賞できた。聖観音の梵字の仏の下に、「寛文六丙午年吉祥日 京都猪熊荒神三寶寺法印實傅」と読めた。しかし、聖観音の梵字の仏は、岩に蔓延ったツタの為に梵字が読みづらい。大岩の掃除は難しいだろうが、交野の貴重な財産を守るため、是非とも対策をお願いしたい。

 空気の澄んだ日には、遠く六甲の山々や大阪平野が見渡せる。
 夕日が沈む頃、交野山の山頂から眼下に広がる大阪平野、淀川を見ると何とも言えない幽玄の世界に浸れると、平田さんはいわれる。写真を撮ると、淀川に夕日があたり、川の流れだけが白く写り周りの風景が幽玄の世界を醸し出すのだそうだ。
 夕刻の風景と夕日に輝く梵字の仏たちの美しさを皆さんも是非ご鑑賞下さい。きっとご満足されることでしょう。

 平田さんの軽妙な説明に感動し、交野の古い歴史を肌で感じた、楽しい歴史ウォークでした。
 次回が楽しみである。一人でも多くの市民の方々にこの喜びを味わっていただきたいと思います。
 是非とも、皆さん誘い合って参加しましょう!!!


戻る